第2章 内緒
「あっ!石神さん!!!」
石神「どうされました?」
「私、自分で払いますから」
石神「あぁ…いや。コレは私が」
「けど、私が使うモノですから」
石神「まぁ、それはそうですが…」
「ですよ!だから」
石神「貴女の為になるモノですよね?」
「えっ!?」
石神「さんの為になるモノなら、私の為にもなると思いますが?」
石神さんの眼鏡の奥の瞳に優しい色合いが広がって、私を大きく包み込む
でも、石神さんの言う「私の為にもなる」の意味がわからなくて
私の頭の中をいろんな「わからない事」がグルグルと渦を巻く
一人で悩んでいる私の表情に小さくクスリと石神さんが笑う
石神「ふっ。わからないようですね?」
「えっ?」
石神「まったく…本当に貴女はわかりやすい」
「えぇっ!?」
石神「さん、貴女の疑問に答えましょうか?」