第1章 ミセバヤ
「綺麗・・・」
「ありがとう。そうやってさ、華の感想言ってくれて、華の世話手伝ってくれる俺の友人には幸せになってもらいたいんだよ」
「・・・幸村君が幸せにしてくれんの?」
私の言葉に目を丸くさせて驚いていた。
「まさか、そんな言葉が鷹鴇から出るなんて思わなかったよ」
そういいながら、徐々に近づく幸村君。え?近くないですか?
「そのまま。」
ボソりと声をかけられ、固まる。これはまた、キスか?とか考えていると。
「待ちんしゃい!!」
聞きなれた訛りの強い、声が聞こえた。その声は切羽詰まったような声だった。
「仁王、いいとこなんだから邪魔しないでよ」
そういいながら、私を抱きしめる幸村君。うわっ、むっちゃえぇ匂いするし。ほんまに男かこいつ。
「そういう訳にもいかん。幸村、そいつを離しんしゃい」
「何故だい?夏帆は、誰のものでもないはずだろ?」
「夏帆って呼ぶんじゃなか」
「俺は、3年間彼女と同じクラスなんだから、別におかしくないだろ。まったく違うクラスで、関係のない仁王こそ早くどこかにいってくれないかな?」