第1章 ミセバヤ
幼馴染だとずっと思っていた。というより、片やモテモテ色気振りまきまくる運動神経抜群勉強しなくても点数とれるペテン師とスタイルはずんぐりむっくり、運動も普通であれば勉強も普通な平凡を絵にかいたような私。
「んなの、意識しろってほうが無理だわ。」
「ほんとに気づいてなかったのか。」
あきれ気味で私を見る幸村君。わかるかっての。
つい先日のこと、図書委員の仕事で遅くまで残り、仁王君と一緒に帰ることになった。同じマンションだし、別に3年間一緒なら毎日ではないがたまに一緒に帰ったりしている。幼馴染なのだ。それが当たり前だった。そして、それは変わらないと思っていたのだ。私は。