第3章 恋?いえ、それは鯉です。
「………」
銀時が乗ってきて、
動き始めてまだ一分。
長く感じる。
この沈黙。
「…ごめんね。銀時。」
さっきのは忘れよう。
銀時が私に気があるなんて、
あるわけないんだから。
「銀時が仲間思いなのは知ってるんだから」
勘違いなんかしちゃいけない。
「お前さ、ほんとにそう思ってんの?」
「なにが?」
「なんでお前は我慢してんだよ。」
「なにを?何いってんの?」
「なかったことにしてぇのか?」
「だからなにがっていって「俺のこと好きなんじゃねぇのかっていってんだよ!!」」
「え………」
なにいってんの。
なんで、知ってるの?
あぁ、なるほど、
知っててのこれか。
じゃあ思わせ振りなこの言葉、態度もわざとか。
わたしで遊んでた?
「もう、いい。銀時、私もう万事屋ぬける。」
こんなんで、銀時のそばになんていれない。
「は、意味わかんねぇ。」
「私は、本気で銀時が好きだった。
でも、銀時は私のことを仲間だとしか思ってない。
わかってた、だから、好きでいるだけでいいって思ったのに…
気付いてたのは仕方ないけど…
私が必死で隠そうとしてるのわかってたなら、
気付いてないふりぐらいしてくれたっていいんじゃんか!!!」
涙が溢れた。
「俺だってな!お前がそれでいいって思ってるんなら、してやるしかねぇって思ってたよ!
でも、俺が好きなくせに総悟総悟総悟、トシトシトシトシ!!
他の男ばっか呼びやがって!
嬉しそうに話して、どっちだっつぅんだよ!」
「だから!私のこと好きでもないのにそんなこと言わないでって「好きなんだよ!!!」」
ぎゅっ……