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緋ノ鬼

第5章 愛はまれに狂気となる。




ここは…


『イヅナ、
あの約束を覚えてる?』


『…おかぁ…さん…っく。
う、ん…、絶対に人を憎まない。
殺さない。』


小さな私は泣きながら答えた。


母と父が死にかけの場面だ。

神威が帰ってからあとのこと、

まだ少しだけ息があったんだ。


『俺たちにはそれはできなかった。
だから…お前は、その約束を、
皇一家、の誓、いを、…ゴホッ…!』


『お父さん!』


血を吐く両親。


『絶対に…はぁ…んっ…守って。
綺麗な世界を…つくってね。
汚い私たちで…ごめんね?』



そういって両親は息を引き取ったんだ。



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