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緋ノ鬼

第5章 愛はまれに狂気となる。




「すまぬな。嫌な言い方して。」


「私のことは気にしないで。
ねぇ、桂。
わかってるだろうけど、
銀時はまだ戦ってるよ。
ちゃんと、忘れてないと思う。
っていっても私は何も知らないけど。」


苦笑いをして頬杖をついた。


「あぁ、そうだな。
だが、甘えすぎてるのかもしれんな。
あやつに。」


ふっと笑う桂はさらに寂しそうだった。


「私さ、変わったでしょ?
最初なんかこんな明るくなかったし。」


私でもビックリだ。


「あぁ、最初のころはぶっきらぼうだったな。
銀時のおかげか?」


「そうだねー。でも、桂のおかげもあるよ。
神楽や新八、真選組のみんな。
出会ったひとのおかげだ。」


「そうか…俺もそこにいるのだな。」



悪くないな。と飾らない笑顔をつくる。


「でも、変わらないものもある。」


その言葉に桂は

確信を得たことだろう。



「変えられない。」


「そうか…」


「さて、と、私も帰ろうかな。」


「李鶴那、感謝するぞ。」


私はその言葉に振り返って笑う。

そして真顔に戻り、


「桂、私はね、次こそは大切な人を守るためなら
なんでも犠牲にできるよ。」


と呟いた。


「李鶴那?」





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