第5章 愛はまれに狂気となる。
「ふぅ食べたぁ!!
で、なんのはなし?」
「お前、切り替えが早すぎだっつうの。」
「はなし、というのはな。
最近、天人が暴れとるらしい。」
「まぁ天人は前からひどいからナ。」
「さらにってことですか?」
「あぁ。それに春雨が絡んどるらしい。」
春雨。宇宙海賊…。
両親を殺したあいつがいるところ。
また会うことになるのかな。
復讐はやめる。
そう思い直したのに。
また怒りが沸々と沸き上がってくる。
「人を襲う事件が多数あるらしくてな、
真選組もそちらに向けて動くらしい。」
「そうかよ。」
それで、といいたそうな顔をする銀時は
外を見ていた。
「そこで、だ。
銀時、今だけでいい。
手を組まないか。」
「やっぱりそういうことか。」
最初からわかっていたかのような物言いだ。
「私はどっちにもつけない。
私はどちらかというと天人のほうだし。
まぁ春雨とは一緒にしてほしくないけど。」
「そうか。だが銀時、どうだ。
戦友(とも)として、力を貸してはくれまいか。」
そう桂は銀時の横顔をずっと見ている。
そんな言葉に銀時は1度桂を見て、
ため息をつき立ち上がる。
「戦友?そんなのとっくの昔に終わってんだろ。
もう俺は何とも戦っちゃいねぇよ。」
「…銀時」
桂は寂しそうな顔をする。
「じゃあな。」
「ちょ、銀時!
神楽、新八、さきに一緒に帰ってて。」
わかりました。と新八は神楽と一緒に
銀時のもとへと走る。