第11章 帰省。そして再会。
―続・黒尾side―
研磨に連れられて夏妃の家に向かう。
毎日研磨とよくここ通ってたっけ?
高校は基本通らねーけど。
徒歩2分。そこに夏妃の家はある。
やっぱりあいつの家はデケェ
門をくぐって玄関を目指して歩く。
玄関の扉を開けると灯りが付いているだけで誰も・・・ん?
こっちをジーと覗く顔が。
夏妃なんじゃね?
俺たちの顔を確認すると
「鉄朗!!研磨!!」
と言って駆け寄ってきた。
「おう!夏妃!元気そうじゃねーか、なぁ研磨!」
「俺、昼間会ったから知ってるんだけど」
「え、」
何?お前ら会ってんの!?俺を除け者に?いや、偶然ってこともある。でも偶然のシチュエーションが思いつかない。夏妃は体が悪くても外に出ることが好きだったし、それに加えて研磨は人目が気になるからって俺がバレーに誘うとき以外ずっと部屋でゲームしてる。こいつら対照的だぞ。うーん、俺の頭が爆発しそうだ。
「ささ、始まってるし行こっ」
俺が頭をフル回転して考えているとパーティー会場に連れていかれた。
パーティー会場は知らない人でいっぱいだった。
夏妃は研磨と俺のことを考慮して外のテラスをあけてくれた。いいやつだと思う。そこが好きだったりもする。勘違いすんじゃねーぞ!!
3人で夕食を食べていると夏妃がいきなりさっきのことを持ち出してきて俺は凄く焦った。奥深くまで聞かれるのも面倒だと感じた俺は話をそらそうと弄ることにした。
「お前小さくなったんじゃね?」って
そしたら相変わらず反論してくる。俺より頭は確実に賢いのにその反応は小学生みたいだ。
・・・言い訳なげーな、仕方ない。ウインナーでも突っ込んでやろう。