第19章 辛い記憶
夏妃に今と同じようなことが起こったのは4年前。俺が中1、研磨が小6だった頃の夏休み前の休日だった。
俺たちはいつも通り近くの空き地でバレーをしていた。夏妃は見て楽しんでる。その日はたぶんそこまで暑くなかったし、ドリンクも3人分用意して、熱中症対策はOKだった。
黒尾『よぉーし、夏妃見てろよ!俺のスパイク!とぉ!』
孤爪『クロ、昨日見た試合の選手のスパイクが凄かったからっていきなり真似すんのやめて欲しい。』
黒尾『かっこいいからいーじゃんか!同じポジションとしての憧れだよ!あ・こ・が・れ!』
夏妃『鉄朗、もうちょっと高いと完璧だったかも』
黒尾『なっ!高さ足りなかったか!?じゃあ研磨、もう1回!』
孤爪『もう!クロにアドバイスあげないでよ、疲れてきちゃった。』
夏妃『ごめんごめん・・・イッ』
黒尾『っ!!どうした、夏妃!大丈夫か!?』
孤爪『その様子、大丈夫じゃないよ!俺、おばさん呼んでくる。』
その様子というのは呼吸が荒くて胸を抑えてて、苦しそうだった。
そして夏妃は救急車で病院に運ばれた。