第14章 反則系女子:宮地
「よければ……一緒に帰らせてくれませんか?」
……可愛いなおい。
ほっぺた赤……。
恋人ってやっぱ一緒に帰ったりするよな、とか昨日考えまくった。
その通りだよな、一緒に帰るよな。
「何かしこまってんだ、付き合ってんだから一緒に帰るの当たり前だろ? 監督に用あるからちょっと待ってろ」
「ヒュ~宮地サンかっこい~!」
「うるせぇ焼くぞ!」
暗くなった帰り道。
二人で肩を並べてゆっくり歩いていた。
部活の話を少しして、それから沈黙。
好きなやつと一緒にいるって……こんなに緊張すんのかよ。
……も、そう思ってんのかな?
チラッと、オレより低い位置にある顔を盗み見ようとしたら…。
目が合った。
「「……!」」
「っ……わり」
「いえ……こちらこそ、すみません」
お互い照れ隠しで顔をそっぽに向けた。
けど、本当は近付きたくて。
気付けばオレの左手に、小さくて温かくて柔らかい右手を繋がせてた。