第10章 ウブ系女子:黄瀬
試合はもちろん圧勝、さらに鳴海くんにオレの彼女って見せつけてやったっス。
悔しそうな顔してたっスよー……ドヤ。
帰りはと一緒に帰った。
さっきから何度もオレや海常を褒めてくれてる。
「本当に凄かったよ! 涼ちゃん格好良かった~」
「そんなに言われたら流石に照れるから!」
試合中ずっとの声援が聞こえてた。
だからか、自分でもびっくりするくらいの力が出た。
もうオレにはがいないとダメだってことスかね。
「私ね、辛いときとか苦しいときに思い出す涼ちゃんの言葉があるんだ」
え? そんな良いこと言ったことあったかな……。
「好き」とか「可愛い」とか「愛してる」とか……「食べちゃいたい!」とか?
最後のはちょっと違うか……。
「『はオレにとって、尊敬する以上に大好きで大切な女の子だから……って呼ぶし敬語もしない』って」
「あ~告白したときにが『っちじゃないの?』って言った時の」
昨日のことのように覚えてるっスよ。
あの時のの笑顔、本当に可愛かったんスから。