第9章 花札系女子:木吉
「、花札やろーぜ」
「よし、今日こそ猪鹿蝶を揃えてみせよう」
三回勝負した結果、二勝一敗でが勝った。
けど浮かない顔をしている。
「揃えられなかった……。猪鹿蝶が一番好きな役なのに……。鉄平が揃えた……」
「そう落ち込むなよ、五光と赤短を揃えたんだから凄いじゃないか。オレ140点負けだよ」
それでもは浮かない顔。
参ったな、なかなか立ち直ってくれない。
どうしたら慰められるかな……。
もう思いついたことをするしかないな。
頭を優しく撫でると、目を瞑って気持ちよさそうにする。
「……安心する」
「が言ってくれれば、いつでもやるからな?」
嬉しそうな笑顔で、オレに寄りかかってきた。
は小さくて可愛い……。
え? オレがデカいのか?
もう一度、優しく頭を撫でる。
すると、が目を少しトロンとさせながら見上げて、顔を近づけてきた。
……こんな表情、初めて見た。
オレもゆっくり顔を近づける。
心臓がドキドキして、緊張しているのに……体は止まろうとしなかった。