第9章 花札系女子:木吉
バリッ ! !
突然の音に二人で驚いたのと同時に、「あらぁ障子が破けちゃったわぁ」と向こうでばあちゃんの声がする。
思わず二人で笑っちゃったよ。
はキスをやめて腕を組んでぴったりくっついてきた。
キスしないのかぁ……。
「今日ね……仕事帰りの鉄平に私が晩ご飯を作ったら、鉄平が『どれもおいしいよ』って言ってくれた夢見た」
「へぇ……でも、それはきっと夢じゃないさ」
「……ぇ」
「いつか、現実のオレにもそうしてくれるだろ?」
……どうしたんだ?
の顔が突然真っ赤になった。
「なんか……プロポーズみたい」
? ……あ。
一昔前の〈毎日オレに味噌汁作ってくれ〉みたいになったかもしれん。
……ちょっと違うか。
オレのじいちゃんはそうやってばあちゃんにプロポーズしたらいしいけどな。
よし、いつまでも一緒にいられるように、の願掛けも込めてオレもそういったこと言ってみよう。
「、毎日オレにどら焼き食わせてくれ」
「どういうこと?」
~End~