第7章 湯豆腐系女子:赤司
「あれ? なんか違った? ごめん……」
「いや……せっかく用意してくれたんだから、いただくよ」
そう、は僕のことを考えて一生懸命用意したんだ。
その気持ちを受け取ることが最も重要なことだ。
「はい、あ~ん」
「待て、湯豆腐に苺は邪道だ」
こんなやりとりをしながらなんとかバースデー湯豆腐を食べ終えた。
「美味しかったよ。けれど、もし次も作ってきてくれるなら今度はケーキがいいかな」
「そうだね、ごめん……」
少しの沈黙の後、が一生懸命になって話し出した。
「……あ、あのね、実はもう一つプレゼントがあって」
……これ以上に驚くものではないだろうが、少々身構えてしまうな。
「それは嬉しいな、一体何だい?」
「プレゼントは……私です!」
顔を真っ赤にして若干叫ぶように言った。
突然のことに驚いてしまい、言葉が出なかった。
「………」
「……プレゼントは私です」
「あぁ、ちゃんと聞いていたよ」