第39章 甘党系女子:黒子
「で? いつコクるんだよ」
「え? 気付いていたんですか?」
下校中、一緒に帰っていた火神君にさんのことを聞かれ、最近のことを話していると突然にそう聞かれました。
デリカシーのないあの火神君に気付かれていたなんて……気付きませんでした。
「ったりめーだろ! いくら表情も影も薄いからって、毎日見てて気付かねぇ訳ねーよ」
「色々余計です。でも、そうですね、告白は……」
考えてはいます。
でも、なかなか答えが出ません。
―このままの関係を崩したくない。
この気持ちがないことを否定できないからです。
君は、どう思っているんでしょうか。
突然、火神くんが声をあげて立ち止まりました。
その先にいたのは、ちょうど話題にしていた彼女。
「ほら、行ってこいよ」
「え、待ってください、火神くん……」
背中を押されて、後ろを向いた時には火神くんはもう家の方向に歩いていました。
行ってこい、と言われても……さんのあの様子だと、誰かを待っているようにしか見えませんし。