第38章 ヘロヘロ系女子:紫原
今にも倒れそうなくらいフラフラしながら「おじゃましまーす」と部屋に入っていく。
ゴン!
思いっきりドアに頭をぶつけた。
うわ~痛そう。
「あれ~? んふふ、ゴンって……タ○スにゴン、みたいな。ふふ」
「早く入ってよーオレ入れないじゃん」
酔っ払ってる人間を扱うのってホント大変なのわかる?
室ちんでいっぱいっぱいなんだよねオレ。
人は見かけによらないってよく言うけど、一番実感するのは酒の時だよね。
ソファにドカンと座ってふにゃーってしてる。
いつもと違いすぎて扱いに困るんだけど。
「水飲めばー? ほら」
「お、サンキュ~。ぷはぁ。うえっ、気持ち悪……」
「飲みすぎなちんがわりーんだし」
何この状況。えーどうしたらいいのこれ。
とりあえず、近づく?
酒臭い……。まぁいいや。
「大丈夫?」
「んん……敦ぃ、敦……」
「なに?」
「だからぁ、大好きなんだって言ってんじゃん!」
ジタバタしたかと思ったらスーっと眠った。
子供?
「八つ当たりしないでよー……」
オレの声だけが部屋に響く。