第38章 ヘロヘロ系女子:紫原
ピンポーン。
は? こんな時間に誰。
今超いい気分だったのに。
ピンポーン。
はいはい今出るって。
てか常識外れじゃない? 夜中の12時過ぎてんだけど。
ピンポーンピンポーン。
うるさいなぁ。投げやりにドアを開けた。
「うわ、ちん」
「んー? あ~つにゃん?」
「なにそれ。酔ってんの?」
初めての呼ばれ方にちょっと動揺した。
なんか顔赤いし、ヘロヘロしてるし……こんなになるまでとか、どんだけ飲んだの。
「なーんで私の家にいるの?」
「ここオレんちだし」
はー、しょうがないな、家まで送るよ。
あ、車、昨日間違えて実家においてきたんだった。
じゃあ電車か。あ、でも終点すぎてる。
「タクシーで帰りなよ」
「んー? ふふ、お金ないよ~」
「じゃあ貸すし」
「いいよ、だいじょーぶ! ちゃ~んと、一人で帰れますからぁ!」
はぁ? ここから何kmあると思ってんの。
徒歩でなんて帰れないし。
それでも一人で帰ると言い張ってくる。
ほんとベロベロすぎ。
酔い覚ましちゃった方が早いかなー。
とりあえず部屋に入れた。