第33章 聖母マリア系女子:森山
だがその後、他のメンバーにも監督にも心配され、危うく明日のスタメンを交代させられるところだった。
彼女が来るのに交代させられてたまるか。
試合当日。まだみんなが心配している。
「やっぱおかしいっスよ! 森山センパイが女の子に目移りしないなんて」
なんだ、そのことか。
そう言えばみんなにはまだ話していなかったな。
仕方ない、本当は誰の目にも触れさせたくないが……彼女のことを紹介してあげようじゃないか。
突如、笠松の変な声が聞こえた。
「は、はい! すぐ、そこに、います」
笠松がオレを指さしている。
オレに用事か?
あ! !
急いで彼女の元に向かう。
「迎えに行くって言ったのに……」
「待ちきれなくなって、来ちゃったの。ごめんなさいね?」
ドッキューン! エンジェルスマイル!
いや……もはやエンジェルを通り越して聖母マリア!
この笑顔を見ると、何でも出来そうな気持になるから不思議だ。
ダンクも出来そうな気になる。