第32章 人見知り系女子:劉偉
些細なことから話し始めて、徐々に自己紹介や深い話まで進展していった。
一生懸命、目を見ようとして話しているのが伝わってくるアル。
本当に人見知りアルね、顔真っ赤にしてよく頑張ってるアル。
可愛い……。
……紫原が好きアルか?
聞こうとした時。
「劉いるかー? ……わぁお」
福井さん……感嘆してる場合じゃないアル。
今ちょうどいいところだったのに。
「あ……すみません、もうこんな時間なんですね。劉さんとお話しするの、楽しくてつい……あの、それでは、失礼します!」
急いで頭を下げて帰ってしまった。
はぁ……。
「悪かったって、そう落ち込むなよ。お前の彼女か?」
「そんなのじゃないアルよ」
と言いつつ、そうならいいのにと思ってしまう。
あれからよくとは話すようになった。
たまに一緒に帰るようにもなった。
そしてますます好きになっていった。
性格、言動、声、何もかもが心をくすぐる。
でも告白のタイミングが掴めない。