第32章 人見知り系女子:劉偉
数日後。
あれからも何度かあの子を見かけた。
今日も、バスケ中にあの子の姿が。
……今、目が合ったような気がする。
一目惚れして、ろくろく話したこともないのに恋するなんて、自分的には微妙アル。
けど……どうしようもないアルね。
部活終わり、廊下で誰かを待っている様子のあの子と会った。
この時間にここを通るのは、バスケ部くらいアル。
誰を待っていたかは、なんとなく察知した。
深々と頭を下げて挨拶してくる、丁寧な子アル。
「あ……ぶ、部活、お疲れ様です!」
「ありがとうアル。……紫原ならもう帰ったアルよ」
「あ、いえ……劉さんに……」
え……一体何の用事アルか?
変に期待してしまうアルから、なんとも複雑アル。
はもじもじしながら話し始めた。
「あの……わ、私、ま、前から一度、劉さんと、お話し、してみたかったんです。あの、それで……」
「……今、空いてるなら、話さないアルか?」
この言葉に喜んでくれた。
一緒に空き教室へ向かった。