第32章 人見知り系女子:劉偉
よくバスケ部を見に来るあの子。
一目惚れをしてしまった。
話したこともないのに恋なんて……。
ドンッ!
痛……誰かとぶつかった。
あ、この子……。
「す、す、すみません! だ、あの、大丈夫ですか?」
「大丈夫アル。そっちこそ大丈夫アルか?」
「はい……ありがとうございます」
まさかこんな出会い方するとは思わなかったアル。
少女漫画みたいアルね……。
チャンス到来アル。
「君、よくバスケ部見に来る子アルね」
「あ…………はい、えっと、紫原君が、同じクラスで」
突然しどろもどろになりながら話す。
顔が真っ赤。
え、もしかして紫原が好きアルか?
それでも諦めがきかなかったアル。
紫原にあの子の事を聞いてみた。
「えっと~名前は。なんかすげー人見知りらしくて、話す時いつもオロオロしてるー」
人見知り……なら確かにあの様子も納得はいく。
けど、本当にそれだけアルか?
どう見ても紫原を好きなようにしか見えなかったアルが……。