第27章 誉め殺し系女子:今吉
「翔一、かっこいいよ」
「? ありがとさん」
どうした急に。
素直に褒めてくれてるだけか?
いやちゃうな、なにか良からぬこと考えとるなこれは。
オーラに出とる。
「翔一の顔も声も性格も好き」
「あんまり言わんでくれ、照れるわ」
「照れたことないじゃん」
「顔に出さんようにしとるだけや」
間違いないな、何企んどるんや?
……企んどってもこの時点でバレるなら意味ないやん。
気付かんフリした方がええかな。
いや、「もう気付いてるんでしょ!」って癇癪起こすかもしれんな。
「……もう気付いてるんでしょ」
「何に?」
思いの外早く来たなこの会話!
なんや今日は色々予想外のことする日やな。
「私が……翔一こと好きすぎて毎晩枕を濡らしてること」
……知らんなぁ。毎晩枕濡らしとるん?
そんなにワシのこと想ってくれとるんか。
でもな、もし毎晩枕を濡らしてることをワシが誰からも聞いとらんのに知っとるんやったら、それはストーカー行動と被ると思うで。
うん……いや考えすぎやな。