第27章 誉め殺し系女子:今吉
「わかんない」
「どこや?」
「桐皇の過去問解いてる意味がわからない」
「桐皇受けるんやろ? アホなこと言うてないではよ頑張れ」
彼女のは今年高校受験、ワシは大学受験。
それでもデートしたい、と言うの願いを叶えたのが、この受験勉強デート。
いい響きやな。
休憩は入れながらもかれこれ4時間くらい勉強し続けた結果……頭おかしなったやつが一人。
「やる意味あるのかなー」
「傾向くらいは見とき」
「ぶぅー」
「ほれ、ええからやれ」
もうグッダグダやな……ほな、休憩にしよか。
ふぅーと溜め息をつきながら教科書やらノートやらを閉じると、は休憩の合図だと気付いて大喜び。
「翔一ラブラブしよー ! ! 」
「待て待てそんな元気ないわ」
「えー?」
「休憩や休憩。休憩の意味わかるか?」
欠伸をしてグッと伸びをすると、諦めても普通に休憩しだした。
若いと元気やなー……高3になったら前ほど動けなくなっとる自分に気付くで?
老いには敵わんわ。