第25章 惨敗系女子:花宮
「はぁーあ、どうしたら真に勝てるの……」
「一生無理だな」
「いや、勝てるものがあるはず……」
諦め悪いヤツだな……。
とたとたがオレの後ろにまわってきて抱きついてきた。
なんか……体前後に揺らされてる。
「なんだよ」
「なんにも感じないの?」
「……シャンプー変えたのか?」
「何故バレた ! ? いや今そこ重要じゃなくて! 他にないの?」
毎度お前から抱きついてくるから匂い違うこと気付いたんだよ。
他?
あぁなるほどな、「抱きつかれて嬉しい」とか「安心する」とか甘いこと言って欲しいってか?
「やっとわかったんだね」
「だから人の心勝手に読むな」
「真さぁ……本当に私のこと好きなの?」
「………」
「どうなの?」
女ってめんどくせーな……。
これこそ言わなくても通じろよ。
後ろに振り返ってを強く抱き締め、髪をすくように撫でてやると、「えええぇ」と驚いたような声が聞こえた。
そりゃそうだろうな、こんなこと滅多の滅多にしねぇから。