第25章 惨敗系女子:花宮
「……いただきます」
チョコを口に入れて2、3度噛むとみるみる表情がひどくなっていく。
悶絶、って顔。
眉間にシワ、声にならない声、強く瞑った目。
梅干し食ってるみたいな顔だな。
オレが欲しかったもん全部くれたぜ。
……あ? なに? 飲み物欲しいって?
まぁこれだけカカオ強いと口内の水分とられるからな。
口の中にチョコくっつくんだろ。
「やらねぇよ」
いてぇな! 八つ当たりすんじゃねぇよ!
あーはいはいそんなに欲しいなら……。
オレの舌で絡めとってやる。
の口の中はオレの好物の味。
こいつもチョコも同時に食えるなんて……。
「……は、最高だな」
「最悪だよバカ! くたばれこの!」
すげー睨みをきかせた目。
前よりはうまくなったな、それ。
「ふはっ! 威勢いいな」
「早く飲み物ちょうだい!」
「ちっ……ほら」
すげー勢いで飲んでむせてる。
バカはお前だろバカ。
ま、かなり楽しめた。
たまにはこいつとの勝負も悪くねぇな。