第2章 「これからは全部僕のものだね。」
一緒に京都で暮らそうと言われて、不安がなかったわけじゃない。
いつかは、そういつかは征十郎と二人で暮らす時が来るとは思っていた。
でもそれがこんなに早いなんて、…変わってしまった征十郎と二人で暮らすことになるなんて。
でもそんな不安なんて吹き飛ばしてくれるかのような、そんな始まり。
征十郎が選んでくれた、私と彼のお家。
「は手前の洋室を使うといい。真ん中の部屋は二人の寝室にしよう。」
征十郎はぎゅっと後ろから私を抱き込む。
「お前の手料理は毎日食べたいが、なるべく家事は当番制にしようか。」
「征十郎は部活が大変だもん。家事は私がするよ。」
一緒に京都で暮らそうって言われてから今日まで、私だって何も準備してなかったわけじゃない。