第11章 「僕の勝利は絶対だからね。」
そのあとも黛さんから征十郎へのパスは通り続け、形成が逆転するのにそう時間はかからなかった。
「わかってもらえたかな?」
征十郎の言葉にも息の上がった五将たちはただ無言で息を整えているだけ。
それを見た征十郎は満足そうに微笑む。
「まぁとは言ったものの彼を今すぐ使おうなどとは考えていないよ。彼はまだ不完全だしね、フルタイムでは使えないんだ。」
征十郎はそう言って玲央の前まで進んでいき、彼の肩に手を置く。
「それに、まだ彼は必要ない。いずれ彼の力を使わなければいけないときのために合宿ではお前たちも千尋のパスをとれるようになってもらうよ。」
「僕の勝利は絶対だからね。」