第5章 ネタが降臨しない原因*伊月俊
「ハァ……」
その日もあんまり練習に身が入らないまま終わって、今オレは帰る為に1人夜道を歩いている。
唯一の楽しみを取られたっていうか……人生終わったとさえ思えてきた。
ため息が止まらない……。
「伊月……せんぱーい!!」
「え…?ちゃん…?」
「ハァ…ハァ…よかった……追い付いて……」
今日何度目かのため息を吐こうとした時に現れたちゃん。
走ってオレを追い掛けてくれたみたいだ。
思わず立ち止まってしまう。
「どうしたの?」
「あの…!先輩が気になって…!」
「オレ…?」