第4章 デート*緑間真太郎
こうして静かに重ねた唇。
たった一回のキスでオレの気持ちを感じ取ってくれたは、クルリと腕の中で回転してオレと向かい合い……そして目を閉じた。
ねだり方も可愛い。ここでもオレは目を細めてしまう。
「外だというのを忘れているのか…?」
「ううん……」
「さっきは抱きしめただけで恥ずかしいと言っていただろう」
「でも今は人居ないよ……」
「人が居なければいいのか?」
「うん……。真太郎…早く……」
「なら……後一回だけなのだよ……」
好きな女とキスをして……そして抱きしめられるのは幸せな事だと、こいつと付き合って初めて知った。
少し肌寒いこの夜。
熱く火照った体には丁度良い……。
*次へ続く*