第4章 デート*緑間真太郎
「ありがとう……大事にするね」
オレが冷や汗流して買ったぬいぐるみをギュッと抱きしめながら、は後ろを振り返り礼を言ってくれる。
喜んでくれた事にこっちも嬉しくなって、つい目を細めてしまった。
「ここ暗いからよく見えないけど……もしかして今笑ってる…?」
「だ、だとしたら何なのだよ」
「損した気分」
「損だと?」
「だって私……真太郎の笑った顔好きだから……」
折角いい感じだったのに、←
が寂しそうな声でそう言ったものだから……オレの顔は元に戻ってしまった。
好きと言われて嬉しいが……弱々しい声で言われちゃ黙っておけない。
「いくらでも見れるのだよ」
「でも……」
「お前がオレの側に居る限りな……」