第4章 デート*緑間真太郎
腕の枷を解く事なく花火を見終わって、周りに居た人達が居なくなった時……
オレは袋から昼間に買ったぬいぐるみを取り出しての目の前に差し出した。
「お前にやるのだよ」
「え?だってこれラッキーアイテムなんでしょ?明日の」
「……ウソなのだよ」
「へ?ウソ?」
「欲しかったんだろう?これが」
「そうだけどどうして……」
「いいから受け取るのだよ」
「ホントにいいの…?」
「ああ」
「行きたい」と言っていた時、近くに高尾も居た。
2人が話していた中で「ダッ◯ィーほしいんだよね」って言っていたのをオレは覚えていた。
だからこれは……オレからの記念日プレゼント。