第2章 おんぶ*火神大我
それだけ言ったはキュッと回す腕に力を込めて、それっきり家に着くまで何も喋らなかった。
オレ……初めて見た日から可愛いじゃんとは思ってた。
性格もいいし、彼女作るならこんな奴がいいなって。
でもそこまでで、好きという感情まではよくわからねぇままでいた。今まで恋とか無縁だったし。
けどが更に顔を埋めてオレにくっ付いた瞬間心臓がドクンと跳ねて、これが恋なんだと理解した。
もうバクバクで苦しくて……でも嫌な苦しさじゃない。心地いい感じ。
気付いてしまった後、家に着いて別れる時すげぇ嫌だと思った。
もっと一緒に居てぇって。
でも言えるわけねぇからそのまま帰ったけど……
その日はオレ……なかなか眠れなかった。
まだ背中にの温もりが残ってたしドキドキが収まらねぇしで。
いつかちゃんと伝えてぇなって……横になりながらぼんやり考えたけど……
この想いを言葉にして言えるようになるのは……
まだ当分先になりそうだ……。
*次へ続く*