第2章 序章
舞塚(まいづか)高等学校1年、若原美穂。
1月中旬、私は部活動の美術部にいた。
冬のコンクールに出す絵を制作中だった。
「なんか…いいの出来ないな…」
私はボソッと呟き、席を立った。
「ちょっと涼みに行ってきます」
「え、外凄く寒いよ?」
「えぇ、大丈夫です。寧ろ、暑いんでちょうどいいです」
「あぁ、そう…」
部長こと、笹木(ささき)先輩に言い、私は美術室の戸を開けた。
はぁ…なんか、今日は頭が働かないな…。
そう内心で思いながら、足を進める。
学校内に小さい森がある。私はそこが一番落ち着く場所第一位にしている。
ここならあまり誰も近づかないし、自然が豊かで本当にいいところだ。
私はその森の中で一番大きい木を背にして座った。
かけている眼鏡をスカートの上に置き、空を見上げた。
風が柔らかく吹いてきた。
乱れた長い髪をきちんと整え、また空を見上げる。
綺麗な空だな…。こんな日にお昼寝したら風邪引いちゃうかな?
でも、なんか本当に眠くなってきた。少し、眠ろう…。
私は目をゆっくり閉じ、夢の中へと吸い込まれていった。
閉じる際に、誰かがこちらに近付いているのが見えたが、睡魔が勝ってしまい眠りに入ってしまった。