第5章 モデル現る
2人はたわいもない話をしながら帰っていた
すると突然、黄瀬がこんなことを聞く
黄「っち… ずっと気になってたことがあるんス‼︎ 何であのとき… 俺たちが全中優勝したとき泣いてたんスか……?」
『っ……。自分でも何で泣いたかよく分からないの…。でも、あのとき相手選手の絶望した顔、優勝したのに嬉しそうじゃない皆の顔見てたら、勝手に涙が出てきちゃってた』
黄「…………。」
『涼太、さっき言ってたよね? 〝勝つことが全て〟って。確かに勝つことも大事だけど、それだけじゃないと思う。でもたぶん言葉だけじゃ伝えられないってゆうか……』
黄「だから黒子っち達と、俺たち…キセキの世代をバスケで倒すってことっスか?」
『…………。』
黄「俺たちを倒すなんて無理っスよ。黒子っちも… もちろんあの火神って奴だって」
『私は2人を信じてるし、誠凛っていう〝チーム〟を信じてるから』
の言葉を聞き、ズキンと黄瀬の胸が痛む
黄「……何かっち変わったスね」
『?』
黄「前は俺たちのこと“見てる”とは言ってくれたけど、“信じてる”とは言ってくれなかった…」
『っ……‼︎‼︎』
黄「何か……っ」
(悔しいっスね… っちが信じたのが俺じゃなく、黒子っちや火神たちだってことが…… だから…)
黄「絶対負けねぇっスよ、次の試合」
そう言う黄瀬の顔はモデルとは思えない迫力があった
『うん… 誠凛も負けない……‼︎』
も黄瀬を真っ直ぐ見つめて言い放った
それからはまたたわいもない話をしながら、は黄瀬に家まで送ってもらい、2人は別れた