第32章 お祭り騒動
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私は浴衣を1着しか持っていなくて、その浴衣は中学のとき赤司君からプレゼントされたものだった
(あのときは皆でお祭り行って楽しかったなあ〜)
なんて、昔のことを思い出していると少し寂しくなった
それから、待ち合わせ時間が刻一刻と迫っているので、私は大急ぎで準備をする
何とか着付けも自分ですることができ、髪型も部活のときみたいにポニーテールじゃなく、緩めの大人っぽい編み込みアップにしてみた
(よしっ、これで完璧っ♪)
時間を確認してみると、今から家を出れば待ち合わせしていた時間にちょうど良いので、私は下駄を履いて家を出た
あっ君と氷室さんとは、お祭り会場で待ち合わせしているので、その会場の河川敷あたりへ向かう
(何か男の人にすっごく見られてる気が……;; 何か変なとこでもあるのかな…?)
そんなこと思いながらも歩を進めると、しばらくして河川敷へ着いた
(さっきからすれ違う女の人みんな顔赤いんだけど、どうしたんだろう…?)
私のこの疑問はすぐに解消される
女子の視線を集めているのは、ある2人の男の子だった
(あっ、あそこにいる甚平と浴衣の長身な男の子2人ってもしかして……!?)
私はその2人の方へ小走りで駆け寄った
『あっくーん!氷室さーん!!すいません、お待たせして…っ』