第27章 お菓子は正義
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翌日、私は準決勝の試合をビデオに収めるため、再びIHの会場へ向かった
会場に着き、しばらくして準決勝が始まる
まずは桐皇学園高校対○○高校の試合、桐皇の勝利に終わった
(大輝出てなかったな…。 やっぱり昨日の涼太との試合で、大輝もかなり無茶してたんだ…。涼太は明らかに足にキテたし、大輝はたぶん肘…かな。準決勝に出てないってことは明日の決勝戦も……)
そして次は陽泉高校対洛山高校の試合、洛山高校の勝利に終わった
(2人とも久しぶり…だなぁ…。でも、あっ君も赤司君も2人ともが試合に出てないなんて…。偶然…じゃないよね。どうして…?)
準決勝の試合を無事ビデオに撮り終わり、私は観客席を後にする
私は互いのベンチに座る2人の姿を見て、少し中学時代のことを思い出していた
(赤司君とは卒業するまでずっと一緒にいたけど、あっ君とはほんと何ヶ月ぶりだろ……。最後に喋ったの去年の11月ぐらいだったかな…?)
≡≡≡回想≡≡≡
私とあっ君が最後に喋ったのは、もうすぐマフラーなどの防寒具を身に付ける少し前の時期あたりだった
その日、私はあっ君を屋上に呼び出した
あっ君の高校は秋田だから、寒がりのあっ君のためにマフラーと耳あてをどうしても渡しておきたかったからだ
けど彼は【いらねーし】と言うので、私は少し悲しかったけど【いらなかったら捨ててくれて良い】と言った
そして私は一緒に陽泉には行けないと言うと【もう俺ちん嫌ーい。あっち行ってよ、ウザいからー】と言われてしまった
そのときの私は、あっ君に嫌いと言われたことがすごくショックで泣きそうになったことを覚えてる
本人の前では泣けないから、屋上から出た後こっそり泣いた
それから冬を迎えたけれど、あっ君があのマフラーと耳あてをしてるところは1度も見たことがなかった
≡≡≡回想終了≡≡≡
(そういえば私あっ君に嫌いって言われたんだよね…。でも、いくらあっ君が私のこと嫌いになっても私は嫌いになれないよ…)
そんなことを思いながら私は会場の廊下を歩いていた