第26章 IH準々決勝 海常vs桐皇
黄瀬side
っちにこんなこと聞けば、っちが困ることぐらい分かってた
それでも聞いておきたかった
『どっちに勝ってほしいかなんて考えたことなかった……』
「……そっスよね」苦笑
っちがこう答えるのも分かってた
っちは昔から皆に優しくて平等で、その優しさが俺だけに向けられることはない、わかってたことだけどやっぱ悔しい
『でも… でもね……』
「…?」
『信じてる…から……』
「えっ……⁉︎」
『涼太が今しようとしてること…。涼太ならできるよ‼︎ だから諦めちゃ駄目…。あと最後までやり切ってね。涼太ならできるって私信じてるから…‼︎』
「っち……‼︎」
俺はずっとっちに“信じてる”って言ってほしかった
だから… 誠凛が… 黒子っちと火神っちがずっと… ずっと羨ましかった
『それに涼太の仲間も皆涼太のこと信じてる… だから…』
っちがそこまで言ったところで、俺はっちを抱きしめた
『っ…/// 涼太……?』
「っち… ありがとう……。俺、最後まで諦めない… 精一杯頑張るっス…‼︎」
『うん… 私見てるから……‼︎』
俺はやっぱりっちが大好きだ
っちの言葉はいつも真っ直ぐで嘘がなくて、俺の心に響く
今言うのは間違ってるかもしれない、けど今俺は伝えたいと思った
「俺… のことが好きっス……」
『えっ…⁉︎ 何言っ…⁉︎』
「好きだ」
『りょ…うた……っ///』
「ずっと… ずっと前から… 俺はしか見えてない」
『っ……///』
俺はを抱きしめる力を強めた
さすがに鈍感なでも、俺の「好き」が「友達として好き」じゃないのは分かってるみたいだ