第20章 vs桐皇
side
(高尾君…和君、まだ何回かしか会ったことない私にすごく優しくしてくれた…。それに和君のおかげでスッキリした。本当に感謝しなくちゃ…)
私は和君と別れてから急いでバス停へ向かった
帰りのバスが来るまでにまだ時間があるとはいえ、あまりに遅かったら皆に心配をかけてしまう
私はバス停に向かう間、もう一度控え室での出来事を思い出していた
(…大我があんなこと言ったのはショックだけど、それは何か大我なりに考えてなのかもしれない。…それに私がクヨクヨしたって駄目だ‼︎ 私は“信じる”って決めたんだから)
は走る速度を速める
(よしっ、皆のところに戻るまでにいつも通りの私にならなきゃ‼︎‼︎)
私は自分の頬を両手でパンッと叩いて、バス停にいる皆の元へ向かった
火神side
がやっとバス停に来た
控え室を出たときとは違って、アイツはいつも通りだ
だけど分かる、アイツは泣いてたんだろうなって
俺にも… 誰にも見せたくないから、1人で泣いてきたのか…?
俺はそれが悔しくて情けなくて、また自分への怒りが湧いてくる
(もう2度とアイツを泣かせたりしねぇ…‼︎ 次は…次は絶対勝つ‼︎)
俺は歯を食いしばりながら、普段通りに皆に接しているの姿を見つめていた
それから、俺は病院へ行くと2週間の絶対安静と言われた
決勝リーグの残り2試合も欠場
ベンチでずっと仲間の戦う姿を見ていた
(俺は弱い…。どうすれば… どうすればもっと強くなれる⁉︎)
考えるのはそればかりだ
ベンチから見る仲間の姿が全員全力で挑んでいるのは分かる
それでも2試合とも負けてしまった
俺達のIHへの挑戦は終わった