第15章 如月、部活やめるってよ
「ねぇねぇ愛! 放課後、男子とカラオケ行くんだけど行くでしょ?」
学校で遊び友達の女子に声をかけられる。
「いいね! どんなメンツ?」
「えっとね、C組の廣瀬とか」
「あぁ…廣瀬はダメだ。桃越先輩と仲いいから」
「そっかー」
今日の放課後は誰と遊ぼうかな…。
…
教室でたまたま一瞬、斗真と目が合う。
私はサッと目をそらす。
もう一度斗真を見る。
斗真ももう別の方向を見てる。
私は聞いてみたい。斗真に。
部活やめるって本当?
どうして? 子供のときからあんなにサッカー大好きなのに。
何があったのかわからないけど、もう少し頑張ってみたら?
でもそんなこと言えない。
私にそんな資格なんてない。
…
放課後。
私の遊び友達はみんなカラオケに行ってしまった。
私はひとり、サッカー部の練習を眺める。
斗真はいない。
やっぱりやめちゃうのかな、部活。
斗真のいないサッカー部を眺めていても仕方ないので、私はその場から立ち去る。