• テキストサイズ

妄想BF(仮)

第14章 僕のストーカー(逢坂紘夢)


「何これ。僕がこんな物を使っていると思われたら嫌だな…」

鳴海が渡してくれたメモ用紙は、花柄のファンシーなものだった。

「演劇部は女の子が多いからね。こういうもので手紙を回すと上手くいくこともあるのさ。だいたい人に物をもらっておいて、その言いぐさはどうかと思うなぁ…」

「はいはい、すみません。ありがとうございます」

サラサラ…

『美味しかったよ』

僕はメモ用紙にそう書き込み、それを折り畳んで弁当包みに挟んだ。

「じゃあ悪いけど、これを頼んだよ」

「オッケー」

ふう、やれやれ。

弁当包みを鳴海に預けて、肩の荷が下りた。

あ、でも待てよ。

普段、鳴海が使っているメモ用紙を使ったから、鳴海が気をきかせて勝手に書いたメモと思われるかもなぁ。

……。

まぁいいか、そんなこと。

僕は時計を見る。

彼女は今頃どうしているだろう。

教室で友達とお菓子を食べているかな。
中庭でひなたぼっこでもしているかな。

ちょっと様子を見に行こうっと。

/ 104ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp