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妄想BF(仮)

第13章 女神なんかじゃない(逢坂紘夢)


「愛ちゃん、彼氏いるの?」

マユちゃんが私に尋ねる。

「いないよ。愛」

うつむいたままの私の代わりにルリカが答える。

「じゃあ、付き合っちゃえば?」

マユちゃんが言う。

えっえっ

マユちゃんと逢坂くんとルリカが、私の顔をじっと見る。

えっとぉ…

「うん」

私は小さく頷く。

「やったー! カップル成立!」

マユちゃんが大声ではしゃぐ。

えっカップル? 誰が? 逢坂? マジ?

E組の教室がざわざわする。

「いいの?」

逢坂くんが私の顔を見て問いかける。

「うん」

超恥ずかしいけど、私はニッコリ笑って頷く。

「キッス! キッス!」

教室でキッスコールが起こる。

何? E組ってこんなクラスなの?
なんなの? どうすれば…

「え、あの…」

私は助けを求めようと、マユちゃんとルリカの顔を見る。

一緒になって、手を叩いてキッスコールしてる。

ちょっ…

ガシッ

逢坂くんが私の手首をぎゅっと握る。

私は彼の顔を見上げる。

「逃げよう!」

え…

そう言って、彼は駆け出す。

連れられて私も走る。教室を出る。

後ろから、ヒューヒューとか茶化す声が聞こえてくる。

彼に引っ張られて走る私。

彼の背中と、横顔を見つめながら。

なんだか走る私たちだけがスローモーションみたいになってる気がする。

ていうか私。

超ヒロイン?

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