第9章 ずっと一緒だニャ(雨宮久遠)
「泣かないで、愛」
「うん。ごめん…」
私の目から涙が止まらない。
私なんかより、雨宮くんのほうがずっとずっとつらいのに…。
「ぼく…大きくなって愛に会えて本当に嬉しいんだよ」
彼はニコッと笑う。
私もニコッと笑い返す。
涙は出ちゃってるけれど。
……。
そうだ…。
「あの…もし雨宮くんがよければなんだけど…わたし、ちょっといいこと思いついちゃった」
私は雨宮くんにちょっといいことを話す。
「それって…ぼく…愛とずっと一緒にいれるってことだよね」
「うん。わたし、雨宮くんのこと…ううん、久遠のことずっと大事にするよ」
「嬉しい…。して! あっ、でもその前に…」
彼は私の腰を抱き、唇にキスする。
……。
彼の唇がそっと離れる。
「ふふ…ずっとしてみたかったんだ」
彼が悪戯っぽく微笑む。
ちょっと久遠、いつのまに、そんなお兄さんになったの…。