第9章 ずっと一緒だニャ(雨宮久遠)
「ほら!」
「ニャッ!?」
雨宮くんが私を男子トイレに連れてきて、鏡を見せてくれた。
鏡の中には黒い猫を抱いた雨宮くんの姿。
私は身体をもぞもぞ動かしてみる。
鏡の中の黒猫が動く。
(これが…わたし…)
私は彼の顔を見上げる。
「ふふ…成功したね!」
彼は嬉しそうに私の頭を撫でる。
(気持ちいいニャン…)
「せっかくだから、外に遊びに行こうか」
雨宮くんが私を中庭に連れてきて、芝生に降ろしてくれる。
(わぁ…気持ちいいニャン。ふかふかー)
私は芝生を走り回る。
(身体軽くて気持ちいー)
「あっ、こら。待ってよ。愛ー」
彼が私を追いかける。
「ニャーン(ここまでおいでー)」
「待て待てー」
あははっ、楽しい〜
…
(はぁ…身体軽くて、調子にのって走りすぎたかも…ちょっと疲れた…)
私はベンチに座った雨宮くんの膝の上で、まったりする。
彼が私の首の後ろとか背中を優しく優しく撫でてくれる。
(はぁ〜幸せ。なんだか眠いニャ…)
……