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妄想BF(仮)

第9章 ずっと一緒だニャ(雨宮久遠)


私たちは図書館でラテン語の辞書を引き、呪文をカタカナに起こす。

「よし、出来た。こんな感じだと思うんだけど…」

私は辞書を閉じ、呪文を書き起こしたノートを雨宮くんに渡す。

「わぁ…」

雨宮くんの笑顔が輝く。

ふふん。

「愛…猫にしちゃっていい?」

雨宮くんが私の顔を見て、真剣に尋ねる。

「いいよ」

私は答える。ふふ…なるわけないじゃん。

……。

「ちょっと待って。一応、戻れの呪文も書き起こしておくから、後で戻してね」

私は『戻れ』の呪文を書き起こす。

一応…一応、ね。

「あっ、そうだよね。さすが、愛。頭いい」

雨宮くんが感心する。

「じゃ、いくよ。…………」

雨宮くんが呪文を唱える。

……。

「すごい…」

彼が私に顔を近付ける。

(ちょっ!? 雨宮くん…近いっ、近いよ! 恥ずかしいっ…)

彼が私を抱き上げて、ぎゅうっとする。

「可愛い…。わぁ、柔らかい…。愛ー、よしよし…」

彼が私の身体を撫でまくる。

(きゃー、そんな大胆な…。わたしたち、まだキスもしてないのに…そんな…だめっ……)

「ニャー」

って

え?

わたし…猫になっちゃった…?


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