第9章 ずっと一緒だニャ(雨宮久遠)
「まず、四つ葉のクローバーを4本準備…。これ難しいかな…」
雨宮くんが腕組みして首をひねる。
「わたし、この前、科学番組で四つ葉を探すコツみたの。心当たりがあるから行ってみよっ」
私たちは中庭で手分けして四つ葉を探す。
「愛! 来て来て。これ、四つ葉だよね」
離れた場所にいた雨宮くんが、私に声をかける。
私はそっちに駆け寄る。
「わっ! ホントだ。すごい。雨宮くん。じゃあ、この辺を重点的に…」
私たちは引き続き、四つ葉のクローバー探しをする。
…
「ふぅ、そろった。よし! 呪文を唱えて…。ねぇ、愛…これ、読める…?」
雨宮くんが外国語で書かれているらしい呪文を指差す。
「ふむ…。これは英語じゃないし…やっぱラテン語かな? 図書館に戻って辞書引いてみよ!」
「うん!」
雨宮くんは、もうガマン出来ないって感じで走り出す。
ふふっ、可愛い。
魔法を使えるって思うとワクワクするんだね。
私だってワクワクして楽しいけど…それは雨宮くんと一緒にいるのが楽しいから。
雨宮くんが嬉しそうにしてるのが嬉しいから。
これって…わたしがオトナになっちゃったってこと?
やだ、恥ずかしー。