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妄想BF(仮)

第6章 夏祭り(芹澤悠吏)


「愛ぽん、どっち先食べたい?」

先輩が尋ねる。

「じゃあイチゴ!」

「はい、どうぞ」

先輩がイチゴのかき氷を私に渡してくれる。

先輩が買ってくれたイチゴのかき氷…甘くて美味しい〜。

「浴衣姿の女の子がイチゴのかき氷を食べてるところ…絵になるなぁ…」

先輩が私を見ながらニコニコして言う。

「ふふっ。ブルーハワイはわたしの中ではオシャレイメージです」

私は先輩が食べてるブルーハワイを指して言う。

「え…オシャレ? うーん。ボクとはほど遠いね…」

「あはは」

オシャレじゃなくても先輩は素敵。

って、言いたいけど…なぜか言えなかった。

いつもならヘラヘラそんなこと言えるのに。

「ブルーハワイも食べる?」

先輩がブルーハワイのカップを差し出す。

「はい」

私は返事して、イチゴのカップを先輩に渡す。

ブルーハワイを食べようとして、ふと気がつく。

かき氷のスプーンもそのまま交換したから…

これって間接キスなんじゃ!

先輩…普通の顔でパクパク食べてる…。

気づいてないのかな…?

それとも、こんなこと意識する方が変なのかな…。

「あれ? 愛ぽん食べてない? やっぱりイチゴのほうがいい?」

先輩が尋ねる。

「いえ! そんなことないです!」

私は邪念を吹き飛ばそうと、ブルーハワイのかき氷にパクつく。

「痛…」

頭キーンとしちゃった…。

私は頭を抱えてうつむく。

先輩が私の頭に手を添える。

え…?

「頭キーンとしちゃった? 大丈夫?」

ちょっと心配そうに、私の顔を覗き込む。

「あ…大丈夫です…。先輩の手、冷たくて気持ちいい…」

先輩の手の感触にちょっとウットリする。

「かき氷持ってたからね。急いで食べるとキーンとするんだよ。ゆっくり食べないと」

先輩が優しく言う。

「えへ…そうします…」

あぁ〜わたし一人で舞い上がって恥ずかしい…。
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