第4章 悪い友達(逢坂紘夢)
私は本当イケてない女子高生だった。
スポーツ苦手で、人付き合いも苦手で、友達少なくて、地味で可愛くなくて。
それでも勉強が出来れば開き直れる気がするけど勉強もイマイチ…。
そんな私に逢坂くんが声をかけてくれた。
文芸部に誘ってくれて…結局文芸部には入らなかったけど、一緒に下校したり出掛けたりするようになって仲良くなった。
逢坂くんは私のこと可愛いって言ってくれた。
そんなこと言われても信じられなかったけど、逢坂くんが撮ってくれた私の写真は確かにちょっと可愛かった。
地味に目立たないで生活してた私を、逢坂くんはみつけてくれたんだ。
……
朝登校して教室に入ると、昨日私の髪をほめてくれた友達に声をかけられる。
優子は2年になって新しいクラスになったとき初めて声をかけてくれた友達。
お昼休みに一人でポツンとしてた私に「神田さんも一緒にご飯食べようよ」って言って混じらせてくれたんだ。
「おはよ、愛。三つ編みに戻しちゃったの? 昨日可愛かったのに。やっぱ暑いから?」
「ううん。逢坂くんにチャラチャラした格好しないでみたいなこと言われちゃって…」
私の答えを聞いて優子が少し怪訝な顔をする。
「え…? 前から思ってたけど、愛の彼氏、束縛きつすぎるんじゃない? 大丈夫?」
「え…そうなのかな…。わたし男子と付き合うの初めてだから、あんまりわからなくて…」
私は首を傾げる。
「そっか…。じゃあさ、付き合っててちょっとでも不満に思ったり、変かなって思ったことあったら私に話してみて?
別に私が男女交際に詳しいわけじゃないけど…そういうの一人で抱えてると変な方向に行くことがあるから…」
優子が真面目な顔で私に話す。
私はニッコリと微笑んで答える。
「うん…ありがとう。優子優しいね」
私の言葉に優子はちょっと照れくさそうな顔になる。
そしてニッコリ笑って言う。
「当たり前じゃん。友達だよ?」
「うん!」