第4章 悪い友達(逢坂紘夢)
「先週撮った写真をプリントしたよ。見る?」
「うん、見る!」
私は水着のまま彼のひざに座ってアルバムを見る。
私の写真がいっぱいのアルバム。
最初は普通に制服姿の写真を、彼が撮ってくれてた。
私は恥ずかしくて嫌だったんだけど、彼はすごく可愛いっていっぱい言ってくれるし、実際彼はすごく上手に写真を撮ってくれるので、だんだん楽しくなってきた。
調子にのってアイドルのコスプレっぽい格好したり、それに合わせてメイクしてみたりするのが私は楽しい。
彼は本当は普通の格好の方がいいみたいなんだけど、その辺はお互い譲り合ってる…みたいな。
でも水着は彼のリクエスト。
「後で水着の写真も撮らせてくれる?」
アルバムを見てる私に彼が聞く。
「うん、いいよ。でもまた増えちゃうね、写真」
私はちょっと笑う。
「足りないぐらいだよ。だって本当は本物を手元に置いておきたいのに家に帰っちゃうんだから…」
彼が寂しそうに言う。
「ふふ…ずっと一緒にいれたらいいね」
私は彼の顔を見上げてニコッと微笑む。
彼はそんな私の顔をじっと見て尋ねる。
「え…? 愛ちゃんもそう思う?」
「思うよ? だって逢坂くんのこと好きだもん」
私の答えに彼も嬉しそうに微笑む。
「僕も好きだよ…愛ちゃん…」