第4章 悪い友達(逢坂紘夢)
お昼休み、お弁当を食べた後、優子たちと雑誌を見ながらおしゃべりする。
私はモテ水着特集の水着に目がとまる。
「あ、これ。私が今年買った水着に似てる」
私は雑誌を指差して言う。
「愛、水着買ったの? 海行こうよ! みんなで!」
みんなでワイワイする。
「あ…でも私、海は…。逢坂くんが水着姿、他の人に見られたくないって…」
私は遠慮がちに言う。
「えー? やっぱり愛の彼氏うるさすぎだよ。
大丈夫。私たち口裏合わせてあげる。
みんなで映画に行くって言えばいいんだよ」
優子が口の前に人差し指を立てて、内緒ってジェスチャーをする。
「日焼けしたらバレちゃうから日焼け止め塗らないとね!」
「ねぇ、せっかくだから男子誘ってみる? 愛、如月くんと幼なじみでしょ? 声かけてみてよ」
「ねぇねぇ〜北城くんも思い切って誘ってみようか」
みんなで話が盛り上がる。
私もすごく楽しくなってきた。
そうだよね。ちょっとぐらいいいよね。
……
E組の教室。
本を読みながら、耳にイヤフォンをさしている逢坂紘夢は小さくため息をつく。
悪い友達がいるな……。
早めになんとかしないと……。
fin