第7章 the past ③
「一会昨日言ったよな?昔からの友人のような感じがするって。気がするんじゃないんだ。僕は一会の友人だよ。昔からの。一会が17のとき、一会は僕の命を助けてくれた。一会が死にそうになった時、僕が助けた」
一会は僕の話を真剣な目つきで聞いている。
「僕は一会を守るために人間になったんだ。今も、守っている。そして僕は君に....恋をした。一会も僕を好きだと言ってくれた。とてもうれしかったんだ。でも一会は僕のことを忘れ、愛する人と一緒になり、子を授かった。一会が幸せで嬉しい反面、どうして自分じゃないんだと妬んだ。悔しかった。君を守れるのは僕だけだと思っていた。そうでなかったことにとても腹が立ったんだ」
「お願いだ、思い出してくれ........。僕はあの時のヤタガラスだよ!」
その瞬間、一会の顔が歪んだ。
「なんですって?」
「ヤタガラスだよ」